弊社のマレーシア本社がゴム手袋製造拠点の開発に初参入!
平素お世話になっております。
今回は弊社のマレーシア本社Sheng Tai International(シェンタイインターナショナル=以下「STI」)より、お客様および関係者各位にご報告がございます。
将来的にマレーシアの経済成長戦略の一つとして重要視されているマラッカに、STI初となる製造業における設計から建設までの拠点開発に参画する覚書を締結いたしました。
詳細等は以下をご参照いただけると幸いです。
Sheng Tai Internationalがマラッカ製造拠点開発へ初参入
2021年6月11日にマレーシアの大手ラテックスおよびニトリル手袋メーカーのKenTeam Asia Glove Hub Sdn Bhd (以下「KenTeam」)の最高経営責任者Datuk Seri Justin Limと、STIの創設者兼会長Dato’ Leong Sir Leyとの間でmemorandum of agreement (MoA=ビジネス覚書) に調印しました。調印式には首相府(特別任務)のDatuk Seri Yusof大臣が立ち会いました。
現在、世界的な新型コロナ禍おいて衛生意識の観点からも、ウイルスの拡散を防ぐ手段としてゴム手袋の継続的な使用が求められています。
Ken TeamのDatuk Seri Justin Limは「今後の需要が確保できる見通しがあることから、新しい製造工場の必要である。急速に成長しているニトリル手袋市場への参入によってマラッカ州のビジネスと雇用を増やすためRM15億を投資し、『ゴム手袋製造拠点プロジェクト』を州政府と協力して取り組んでいきたい」とコメントを発表しました。
また、STIのDatukLeong Sir Leyは「この新しいパートナーシップはわが社のビジネスの成長においても重要な節目となります。そして何よりもマレーシア、そしてマラッカの経済成長に貢献できると考えています」と、述べました。
Ken Teamのゴム手袋生産工場は7月から18ヶ月の工期でマラッカ州の工業団地ジャシンに建設されます。36.4haの敷地に110の生産ラインが予定され、1つの生産ラインにおける年間生産能力は約300万箱を想定し、全ラインが稼働することで最大3億3000万箱の製造が可能となる予定です。海外に輸出され、主にアメリカ、カナダ、EU市場向けとなっています。そして、新たに7500人の雇用を生み出すことで地域経済への貢献が期待されています。
STIは新型コロナ禍においても過去1年にIWG、Memorigin、FashionTVなど海外のブランドと提携協力を行い、マラッカウォーターフロント経済圏 (M-Wez) の中心には複合開発施設The Sail(ザセイル)を建設中です。
マレーシアのゴム手袋産業について
もともとはイギリスの入植者たちがマレーシアの気候に適しているゴムの木をブラジルから輸入しプランテーションを始めたと言われています。かつては天然ゴムの生産高が世界一だったマレーシアですが、2012年に天然ゴムの生産高が世界3位になって以降、プランテーション(大規模農園)のメインはヤシ油にとって代わりました。当時、この状況を重く受け止めた政府は、用地の拡張やゴムの苗木を植林するだけではなく、原料となる樹脂の確保のため輸入にも力を入れたという経緯がありました。
2021年3月のデータによるとマレーシアのゴム手袋は世界160カ国に輸出され、シェア65%で世界1位となりました。新型コロナ肺炎の世界的な蔓延もあり、ゴム製品の輸出額は前年比で80%増加しました。MARGMA(マレーシアゴム手袋生産者協会)によると本年度の世界のゴム手袋需要は5000億双に達すると見られていますが、それに対し供給は4200億双となります。この需要は2022年の第2四半期まで堅調であると予想しています。
Precedence Researchによると、2020〜2027年のニトリル手袋の市場規模は94億1,000万RM387億に達し、年平均成長率は13.8%になると予想しています。
ゴム手袋製造各社は主にセランゴール州、ネグリスンブラン州などに集中していているのですが、Ken Teamがマラッカ州への進出を決めたことにより製造業の基盤がマラッカ州へと移る新たなゲームチェンジャーとなる可能性もあります。
現在マレーシアは天然ゴムの生産高は世界第5位で5.4%ですが、今後の需要を見越して天然ゴムプランテーションへ外国から直接投資を呼び込むなど政府は原材料調達戦略を立てています。
歴史遺産だけではない製造業の拠点としてのマラッカの魅力
マラッカは2008年にペナン島とともにマレーシア初のユネスコ世界文化遺産に登録されて以来、観光スポットとして注目を集めました。しかし、それだけではなく国内屈指の製造業や産業拠点として注目を集めています。
陸路でマラッカへは東南アジア経済を牽引するシンガポールから234km、首都クアラルンプールから約145kmと、両都市からのアクセス良さから非常に重要な場所となっています。
マラッカ州内にだけでも23カ所の工業団地があり、特に近年では世界的な需要の増加により外国資本の半導体工場の進出が増えています。
日本からは1960年代にパナソニック(旧松下電器産業)が進出を機に、ホンダ、コニカミノルタ、キューピーなどの大手企業が現地に製造工場を稼働。
歴史的にみてもマラッカ海峡の海上交通の要所であったこともあり、港湾都市としての有益性に着目され貿易拠点としての整備も進み、湾岸再開発計画M-WAZ(マラッカ経済特区)として国内経済を支える重要な拠点となります。
今回の発表はマレーシア国内でも注目を集めており国内の大手メディアに多数取り上げられました。