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経済発展の新キーワード!マレーシアの科学技術とイノベーションに注目

ASEANで順調に経済成長の道を歩むマレーシア。これまでは製造業や天然資源分野が経済発展の主役となっていましたが、この数年で世界的に進む急激な環境変化からマレーシアの産業市場にも少し変化が生まれています。

今回は、マレーシアで加速する電気自動車(EV)や電化が進む市場に着目。国が進める科学技術分野、そしてイノベーション(技術革新)についてご紹介します。

【政府が主導!マレーシアで注目が高まる科学技術分野】

マレーシアは国として科学技術分野の発展や躍進の実現を目指すべく「マレーシア科学技術・イノベーション省(略称MOSTI)」を設け、さまざまな施策に取り組んでいます。

これまでマレーシアの経済を担ってきた主な産業である製造業や天然資源分野は現在も高シェアを保ててはいるものの、世界全体で進むさまざまな分野での電化傾向は今後のマレーシア経済に大きな影響を与えることは否めません。

MOSTIはその点にも着目。国が主導して科学技術革新を目指し、世界で注目されている成長が見込める分野をいち早く取り入れていくことに力を注いでいます。

【電気自動車(EV)への関心高まる!マレーシアで販売台数増加中】

では、マレーシアで具体的にどのような科学技術分野への注目が集まっているのか。この一年で注目を集めたニュースを例にご紹介しましょう。

電気自動車への関心が急速に高まっているマレーシア。もともと圧倒的に車社会のマレーシアですが、この数年は環境に配慮をした国としての政策実施効果もあってか、電気自動車の販売台数が加速しています。

マレーシア自動車協会が2024年1月に発表した2023年の新車販売台数は約79万9,700台。そのうち約3万8,200台が電気自動車(ハイブリッド車/HEV、プラグインハイブリッド車/PHEV、バッテリー式電気自動車/BEVの全てを含む)となり、総販売台数の約4.8%のシェアを占めています。また、電気自動車の販売台数は前年比で約69%増とその急増ぶりも注目すべき点です。

また2023年7月にはアメリカの電気自動車メーカー、Tesla(テスラ)がマレーシアへの進出を発表。世界が注目する電気自動車メーカーが身近な存在となったことで、マレーシアで電気自動車の人気はますます高まりそうです。

【マレーシア最大の自動運転試験施設オープン】

クアラルンプールなど首都圏で近年開通が相次いでいるMRT。これらはすべて自動運転による運行であることをご存じでしょうか。実はマレーシアでは1996年から段階的に開通をしているLRTやモノレールなども自動運転技術が導入されています。

今マレーシアでは、その自動運転技術のさらなる躍進のために新開設された自動運転試験施設が注目を集めています。

2023年11月、MOSTI傘下の「MRANTI」(Malaysian Research Accelerator for Technology & Innovation)が国内最大規模となる自動運転試験施設をクアラルンプールにオープンしたと発表。MOSTIのチャン・リー・カン大臣は、「本施設のオープンにより次世代車両開発の促進を掲げた国の自動車政策NAP2020のさらなる促進が狙えること。そして今後の効率性向上や炭素排出量の削減にもつながる。」と語り、国の政策と結びついた施設のオープンである点も強調しています。

また自動運転技術の躍進は自動車や電車などの分野のみならず、製造業やソフトウエア、物流、さらには農業やヘルスケアといったさまざまな業界にも新たな可能性が生まれるチャンスにもなるため、今後のマレーシアの経済発展の一端を担っていくことも期待されています。

【日本との連携でさらなるイノベーションを目指す】

最後に、科学技術の世界での日本とマレーシアの連携についても少しご紹介しましょう。

日本とマレーシアはさまざまな分野で交流と連携の歴史がありますが、科学技術の分野でも深い協力関係を築いてきました。

2023年1月には、髙橋克彦駐マレーシア日本大使がMOSTIのチャン・リー・カン大臣を表敬訪問。2022年に40周年を迎えた東方政策のさらなる充実、そして日本とASEANの協力による共同研究などの連携の強化について言及をしました。両国の関係をさらに強化していくことについても再確認をするなど、科学技術の分野で日本とマレーシアの協力関係が今後さらに深まっていくことが期待できる会談となりました。

【マレーシアの科学技術とイノベーションまとめ】

今回は、マレーシアの科学技術についてご紹介しました。

普段目にしている風景の中にも、実はマレーシアで進む科学技術の分野が潜んでいることもお分かりいただけたでしょう。さらなる躍進が望める分野であること、そして経済にも大きく影響を与える点も合わせて、今後の注目を集めていきそうです。

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