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2024年投資額目標RM100億!(約3,300億円) 世界から注目集まるマラッカ大規模投資

世界中の投資家から優良な投資先として注目が集まる国マレーシア。なかでもここ数年、マレー半島のほぼ中心に位置する州マラッカが大規模投資を行う地として脚光を浴びています。

今回は、そんなマラッカ州への投資にまつわるニュースをいくつかお届けします。

※記事内の日本円表記はすべて、RM1(マレーシアリンギット)=約33円 (2024年8月現在のレート)にて換算。

【躍進の2023年!RM50億(約1,650億円)大規模投資案件確保】

ここ数年投資先として注目度が高まっていたマラッカ州ですが、特に昨年2023年は躍進の一年となりました。

2023年8月に行われたマラッカ州のアブ・ラウフ・ユソー首相の会見によると、同州への投資額が上半期時点ですでにRM50億(50億リンギット)(約1,650億円)に到達。さらに年内に中国とドイツからの投資がトータルでRM26億(約858億円)成立する見込みがあることから、2023年の目標額RM60億(約1,980億円)を大きく上回るRM76億(約2,508億円)が確保されているとの発言も話題になりました。

もともとマレーシア国内の重要な製造業拠点として知られるマラッカ州。半導体工場が約60カ所存在するなど工業・製造業の重要性は非常に高く、2022年には州の国内総生産(GDP)の37.2%を占めるなど州はもとよりマレーシア経済にも大きく貢献しています。

そして、その重要性を裏付けるようなニュースとしてアメリカの半導体大手企業、TEXAS INSTRUMENTS(テキサス・インストラメンツ)がマラッカ州とクアラルンプールの工場に計RM146億(約4,818億円)の投資を表明。このうちのRM50億(約1,650億円)がすでに既存工場を構えているマラッカ州の工場拡張に投資されるため、上半期の時点で2023年目標額に一気に到達に近づくことに。マラッカ州経済を盛り上げるニュースとして注目を集めました。

【2024年マラッカ州投資額目標はRM100億(約3,300億円)】

そんな躍進を遂げて迎えた2024年。マラッカ州政府はさらなる成長を見込み、2024年の投資額目標をRM100億(約3,300億円)と発表しています。

2024年3月の発表によると、マラッカ州政府は10の主要産業について投資先としての重要性をさらに高め、維持することに注力。対象分野は電気・電子、自動車、航空宇宙、石油・ガス、再生可能エネルギー、ハラール製造、バイオテクノロジー、機械・設備、医薬品、海運などが含まれるとのことで、マラッカ州が抱える製造部門総出で取り組む一大プロジェクトとしての気合いも感じられる内容となっています。

また、優良な投資先としての地位を確立するためにマラッカ州政府が力を入れたいプログラムの一つとして、アカデミー・イン・インダストリー(AiI)プログラムについても言及。このAiIプログラムが製造および産業部門の労働者の質やスキルの向上に役立つこと、さらにはその効果により外国人労働者への依存を減らし、マラッカ州民の製造業関連での就労率アップを目指します。州全体の経済上昇効果も得られるため、州内の多くの産業にAiIプログラムへの参加を促進しています。

※アカデミー・イン・インダストリー(AiI)プログラムとは

マレーシア政府が産業界の人材育成分野での課題解消を目指して提唱する産業人材トレーニングで、Malaysia Productivity Corporation(MPC)(マレーシア生産性公社)とMinistry of International Trade and Industry(MITI)(マレーシア国際貿易産業省)が現場の実態に沿ったプログラムを導入。

AiIに登録をした企業では学生や若年を中心に働きながら現場でのさまざまな学習機会が設けられ、技術学習と業界現場の間のギャップを埋めることを目的とするプログラムが組まれている。

【マラッカ本拠地テラダン、ドイツ向け工業団地設立】

そんなマラッカ州が製造業拠点として力を注いでいることが分かるプロジェクトの発表も。

2024年3月、マラッカ州を拠点とする不動産開発グループTeladan Group Berhad(テラダン・グループ)がマラッカ州にドイツ企業向けの工業団地を共同開発することで州営のMelaka Corporation(MCORP)(マラッカ・コーポレーション)と覚書を締結したと発表しました。

このプロジェクトは、マラッカ州の地場企業であるテラダン・グループが同州ジャシンに所有する約138平方メートルの敷地に工場区やセミデタッチ型工場、ショップハウスなどを備えた一大工業団地建設を計画。総開発価値はRM29億(約957億円)と言われ、高い製造技術を持つドイツ企業誘致を最大の目的としています。このプロジェクトで優良ドイツ企業を呼び込むこと、そしてそれによる生産効率上昇と貿易チャンスの拡大、さらには雇用の拡大による経済効果も目指します。

調印式にはマラッカ州のアブ・ラウフ・ユソー首相も出席して展望を述べるなど、マラッカ州がこの工業団地建設に大きな期待を寄せていることもうかがい知れました。

マレーシア国内はもとより諸外国からも注目が集まる、経済成長と将来への期待に盛り上がるマラッカへの大規模投資についてお届けしました。

さらなる発展が期待できるマラッカに今後もぜひ注目ください。

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