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経済発展の鍵は宗教イベント!マレーシア三大宗教を知る

マレーシアはどんな国?と調べてみると必ず目にするキーワード、「多民族国家」。現在のマレーシアは、世界でも稀に見る多民族そして多宗教の共存に成功した国とも言われています。

折しも、先日2023年4月21日に一カ月に渡ったイスラム教のラマダーン月が終わり、祝祭となるハリラヤ アイディルフィトリ(Hari Raya Aidilfitri)を迎えたマレーシア。盛り上がり冷めやらぬこのタイミングですので、今回はその「宗教」にフォーカス。意外としっかり知る機会の少ないマレーシア三大民族の宗教、そしてそれにまつわる代表的なお祝いイベントについてもご紹介します。

【マレーシアの民族及び宗教構成基本情報】

まずマレーシアの民族や宗教の構成について、数字と共にお届けします。

<民族構成>

マレー系:約70%(先住民15%を含む)

中華系:約23%

インド系:約7%

<宗教構成>

イスラム教(連邦の宗教):64%

仏教:19%

キリスト教:9%

ヒンドゥー教:6%

儒教・道教等:1%

その他

(2022年マレーシア統計局によるデータ/外務省 マレーシア(Malaysia) 基礎データより引用)

まずは大まかな構成でのパーセンテージを示しました。単純な民族比だけで見ると、マレー系、中華系、インド系だけのように見えますが、実はマレー系の中には、ボルネオ島側に位置するサバ州のカダザン族やサラワク州のイバン族、ビダユ族、さらにはマレー半島側に居住しているオラン・アスリなどの先住民も含まれています。

他にも、多民族国家として長く歴史を刻んでいたマレーシアには民族や国籍をまたいでの婚姻により生まれたミックスも多く存在します。例えばババ・ニョニャやプラナカンなどがその代表です。

このように、マレーシアの民族とその宗教を本気で掘り下げていこうとするとそれこそ論文レベルのようなボリュームになります。そしてその複雑な混在状況も詳しくご説明する必要が生じてしまいますので、今回は代表的な三大民族について解説していきます。

【マレーシアの民族と宗教の関係】

先ほどの民族と宗教の構成でも触れていますが、マレーシアでは国民の約70%が信仰しているイスラム教を国の宗教として認めています。しかしながら、多民族国家ということで個人の信仰の自由も保障されています。

民族ごとに信仰する宗教は大きく分類され、代表的な区分けとしては下記の通りとなります。

・マレー系 = イスラム教

・中華系 = 仏教

・インド系 = ヒンドゥー教

ただしもちろん例外はあり、例えば中華系やインド系であってもキリスト教を信仰する方、民族問わず他の宗教を信仰する方もいらっしゃいます。今回は「代表的な」民族と宗教の関係ということで大きく分類した三民族と三大宗教にフォーカスしますが、先も述べたような例外や少数派もマレーシアには多数存在する、ということを頭の片隅に置いていただきながら記事を読み進めていただけると嬉しいです。

【マレーシア、三つの宗教基本知識】

まずは、マレーシアの三大民族が主に信仰する三つの宗教についての基本知識を知っていきましょう。それぞれどのような宗教なのか、そして、せっかくですので祈りの場となる寺院についてもご紹介します。

●イスラム教基本知識

マレーシアでは主にマレー系が信仰。

世界に約19.5億人。キリスト教に続き2番目に人口が多い宗教。

<特徴>

偶像崇拝を禁じ、聖典クルアーンに基づいた食事・礼拝・服装の決まり事など様々な規範がある。イスラムで許された事項ハラールに添った飲食、生活を実践しており、お酒や豚肉の飲食を禁じるほか、鶏や牛肉などもイスラムの訓えに添った処理がされた肉を食する。

<マレーシアで行くことができるイスラム寺院>

「マスジドプトラ」(Masjid Putra)」

通称「ピンクモスク」。政府施設が集まる町プトラジャヤにあり、異教徒による見学も多く受け入れる人気モスク。ピンク色の花崗岩で作られた美しいドームを始め、外観も内観もピンク色で統一されている。

●仏教基本知識

マレーシアでは主に中華系が信仰。

世界に約5億人。仏教は上座部仏教と大乗仏教に大きく分けられ、マレーシアは大乗仏教が主流ではあるものの、上座部仏教も根付いている。

<特徴>

全員ではないが牛肉を食べない人がいるほか、殺生を禁じるという意味から旧暦の1日と15日に当たる新月と満月の日はベジタリアン食で過ごし、動物性のものを避ける人も多い。

<マレーシアで行くことができる仏教寺院>

「青雲亭(チェンフーンテン)」(Cheng Hoon Teng Temple)

マラッカの中心地にある、1645年建立のマレーシア最古の中国寺院。マラッカの宗教混在文化象徴であるTukang Besi通り、通称ハーモニーストリートに鎮座する。

●ヒンドゥー教基本知識

マレーシアでは主にインド系が信仰。

世界に約11億人。神様の数が多い宗教として知られ、数多くいる神様の中でブラフマー(創造の神)・ヴィシュヌ(維持の神)・シヴァ(破壊の神)を三大神として信仰している。

<特徴>

牛を神聖視するため、牛肉及びその加工品などを食べることや殺すことは禁じられている。

<マレーシアで行くことができるヒンドゥー寺院>

「バトゥケイブ(Batu Caves)」

マレーシア バトゥケイブ

クアラルンプール郊外にあるヒンドゥー教の聖地と呼ばれる洞窟寺院。圧巻の272段の階段とヒンドゥー教の神様であるムルガンの巨大像が特徴。マレーシアはもとより、世界中からヒンドゥー教徒が訪れることでも有名。

ここではそれぞれの宗教の代表的な寺院をご紹介しましたがこれはほんの一例。マレーシアを訪れると町の至るところに有名どころから人々の拠り所のような小さな寺院まで、大小さまざまな寺院があることに驚く方も多いです。どの寺院も、マナーを守れば基本的には異教徒の見学も受け入れています。もし興味があれば立ち寄ってみるのもおすすめです。

【多宗教だから一年に何度もお正月がやってくる!】

マレーシアでは国教となるイスラム教以外の宗教それぞれの暦についても尊重する姿勢を保っています。それゆえ、なんとマレーシアでは下記の通り西暦の1月1日以外に何度もお正月と言うべき新年的宗教イベントが訪れ、それぞれの祝祭の日は国の祝日となります。

・イスラム教(マレー系):ハリラヤ アイディルフィトリ(Hari Raya Aidilfitri)/毎年10日程度ずつ前倒しで変動

・仏教(中華系):旧正月(春節)/毎年1月~2月の間で変動

・ヒンドゥー教(インド系):ディパバリ(Deepavali)/毎年10月~11月の間で変動

お正月と言うべき新年的宗教イベント、と書きましたが正しくはそれと少し異なる部分もあります。それぞれどのような意味合いで、そしてどのようなことをする宗教イベントなのでしょうか。盛り上がるイベント風景を写真とともに解説していきます。

【断食明けを盛大にお祝い!ラマダーン月と祝祭ハリラヤ アイディルフィトリ】

まずは、イスラム教であるマレー系が一年で最も盛り上がるイベントについて。

それは、ラマダーン月とその後に訪れるハリラヤ アイディルフィトリです。イスラム暦の一年は354日であるため、毎年10日ほど前にずれていきます。10年前くらいは日本カレンダーの夏休みあたりがラマダーン月だったのが、この1~2年はゴールデンウィーク前あたりになっている、といった具合です。

イスラム暦九番目の月がラマダーン月となり、この一カ月は夜明けから日没まで一切の飲食、喫煙などを断ち、喧嘩や争いごとを避けて自身の信仰心を高めるために礼拝もより熱心に行うなどの期間となります。異教徒から見るとインパクト大の「断食」ばかりフォーカスされがちですが、ラマダーン月の信仰行為は多岐に渡ります。

そして、ラマダ―ン月が終わりそれを乗り越えたことを祝うイスラム暦10番目の月初日を、マレーシアではハリラヤ アイディルフィトリ(または「ハリラヤ プアサ」)と呼びます。イスラム教徒にとって一年で一番大切な日、と言っても過言ではないです。

ラマダーン月からハリラヤにかけてのマレー系の人達の盛り上がりは相当なもので、この時期に全ての照準を合わせて年間の様々行動を進める方も多く、この時期の物流とお金、そして人の移動量は相当なものとなります。

ラマダーン月に町に出かけてみると、アップテンポなマレー語の楽しいハリラヤソングがかかる中、ハリラヤを迎えるためのカラフルな伝統衣装や来客時に振る舞うための美味しそうなお菓子が至るところに並び、異教徒であっても見ていてかなり楽しい光景です。

また、多民族国家であるマレーシアではこのラマダーン月とハリラヤをマレー系以外の人達も楽しみ、異教徒の方も一緒に断食明けの食事を楽しんだりハリラヤにはお祝いで自宅に招いたりと、民族問わずカラフルな新しい民族衣装バジュクルンで着飾った人達を多く目にすることが多いです。

過去のこちらの記事内で、ハリラヤではどのようなことをするのか、そして伝統的なハリラヤのお料理などを詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

【最新レポート】2022年5月のマレーシア・ニュース

【マレーシア中が真っ赤に染まる!チャイニーズニューイヤー】

お次はパワーみなぎる中華系のビッグイベント。年に一度、町が真っ赤に染まるイベント旧正月についてご紹介です。

日本では春節と紹介されることも多い旧正月、チャイニーズニューイヤー(Chinese New Year)。中国暦(太陰暦)が用いられているため、毎年1月~2月の間で変動になります。期間は新月から次の満月までの15日間続きます。

旧正月が近づいてくると町中縁起が良いとされる赤い飾り付けで溢れ、ショッピングモールは真っ赤なディスプレイの前で記念撮影に楽しむ人達で賑わいます。売り場には新年に着るための赤い服がずらりと並び、どこに行っても360℃赤色一色!購買意欲をかき立てるアップテンポな中国語のニューイヤーソングもエンドレスで流れ、活気あふれる雰囲気に人々のテンションも上がっています。

マレーシア 旧正月 チャイニーズニューイヤー

その盛り上がる旧正月の雰囲気をさらに何倍にも盛り上げてくれる、ちょっと珍しい伝統のお祝い料理もあるのです。

それがこの、「イーサン(魚生)」です。

マレーシア 旧正月 イーサン

なんと、中華系文化の本山とも言える中国や香港などにはなく、マレーシアとシンガポール、インドネシアの一部のみで伝わっているという不思議な旧正月のお祝い料理なのです。この旧正月の時期になると食事会ではこのイーサンを楽しむ姿がマレーシアのあちこちで見られます。

イーサンについては、過去のこちらの記事でちょっと変わった楽しみ方や食べ方など詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。

多民族国家マレーシアで体験!福を呼ぶ中国旧正月限定料理「イーサン」

【カラフルなライスアートを満喫!光の祭典ディパバリ】

そして最後は、一年で最もマレーシアがカラフルに彩られるインド系のイベント、ディパバリです。

ヒンドゥー教暦による7番目の月となる日ディパバリ。日付は毎年10月~11月の間で変動となります。ヒンドゥー教の女神ラクシュミーを祀る日でもあり、光の祭典の別名も持ちます。ヒンドゥー教の人々にとっては、新年を祝うというより悪に対する勝利の象徴として光の祭典を祝う、という意味合いのイベントです。ちなみに、本国インドでは「ディワーリ(Diwali)」と呼ばれていますが、ここマレーシアではディパバリの呼び方が一般的となっています。

ディパバリ前日までの雰囲気は日本の大晦日までの雰囲気そのもの。クアラルンプールの中心にあるインドタウン、ブリックフィールズ(Brickfields)などはディパバリ当日に着るための新しい衣装やお祝いのお菓子などを買い求める人達で賑わいます。

ディパバリの当日は日付が変わった夜中から各ヒンドゥー寺院で儀式が執り行われ、人々が家族揃って祈りを捧げに来る風景が見られます。マレーシア全体の人口比率からするとインド系の人達は多くないため、ハリラヤや旧正月のように大々的な人の移動までは見られませんが、それでも各家庭でお祝い料理をいただいて寺院にお参りに出向く風景をよく目にします。

この時期のインドタウンはどこも煌びやかな雰囲気に包まれ、自宅やお店はろうそくやイルミネーションで盛大に飾りつけられとにかくカラフル。そしてそのカラフルの最たるものが、マレーシアの町中に溢れる色鮮やかで美しい飾りコーラム(Kolam)です。

このコーラム、遠目には絵に見えなくもないですが、よく見てみるとなんとお米です!小さな米粒一つずつに色がつけられ、それが集合体となったものがこのような美しいアートとなっています。

マレーシアではショッピングモールはもちろんのこと、駅やコンドミニアムなどのちょっとしたスペースにもこの美しいコーラムが飾り付けられ、外国人や異教徒でも毎年楽しみにしている人が多いです。カラフルさ、という点では他の宗教イベントと比べても色数で圧勝!とも言えるイベントでしょう。

コーラムについては、過去のこちらの記事でもその美しいディスプレイの数々をご紹介しています。ぜひご覧ください。

町がカラフルに色づく!多民族国家マレーシアで楽しむヒンドゥー教徒のお正月ディパバリ

【マレーシア宗教イベントと経済の関連性】

マレーシアの代表となる三大民族の宗教、そして町中が活気に包まれる各宗教イベントについて解説してきましたが、これらのイベントは全てマレーシア経済を盛り上げるとても大切なものでもあります。

それぞれの宗教イベントについての様子を見て気付いた方も多いでしょうが、どのイベントもとにかくお祝いムード満載で、人々が積極的にお買い物をしたり親族で集まって食事をしたり、という消費活動につながるシーンが多いということです。

マレーシアの経済が一年で最も盛り上がる時期は、やはり人口比率にも比例しマレー系のラマダーン月からそれが明けたハリラヤの期間、そして旧正月の二つのシーズン辺りと言うのは定説で、実際この時期の町の様子を見ると人々の購買意欲が跳ね上がっていることは一目瞭然。皆さん清々しいほどに消費活動に勤しんでいます。

例えばラマダーン月のイスラム教徒達が断食明けにいただく夜ご飯は一日の最大の楽しみになりますので、この時期のマレーシア各地のホテルやレストラン、そしてラマダンバザールなどはどこも大盛況となります。お店の規模に関わらず断食明けの時間には予約をしないと入れない状況となり、皆さん金額は二の次とばかりに気合いを入れて夜ご飯に臨みます。

マラッカでSheng Tai Internationalが所有するAMES HOTELでもこの時期のレストランは連日大盛況となり、家族や同僚、友人達と楽しそうにテーブルを囲む様子が見られました。

 

また、イスラム教徒以外にとってもこの時期のラマダンブッフェやバザールは楽しみの一つとなっているため、それこそ国を挙げて皆さん夜ご飯を楽しむ!という一大イベントとなっています。

 

マレーシア国内の様々な企業も、この消費活動が活発になるシーズンに合わせて趣向を凝らしたプロモーションや広告配信を積極的に行っています。

 

マレーシアでは誰もが知る企業やメーカーが連日TVやSNSで宗教イベントと絡めたストーリー性のある動画を配信したり、ハリラヤや旧正月のアイコンを施した可愛らしいグッズでプロモーションを行ったりと、各社売り上げ倍増への期待と気合いが感じられます。

このように、宗教と暮らしが密接に関わっているマレーシアでは宗教イベントが国の経済を動かしていると言っても過言ではありません。そして、宗教が一つではなく多民族ゆえの多宗教となっていることで年間を通じてイベントが目白押し、ということもマレーシア経済が順調に発展を続けている要因となっています。

【マレーシアの宗教イベントと経済発展まとめ】

今回はマレーシア三大民族の宗教、そして盛大にお祝いされるそれぞれの宗教イベントについてお届けしました。

気になる宗教イベント時期に合わせてマレーシアを旅行してみるのも、濃厚な異文化体験ができておすすめですよ!

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