ゲンティンハイランドに新テーマパークが開園!財政再生の試金石となる大規模開発
2022年2月8日にゲンティン・マレーシア(Genting Malaysia)はゲンティンハイランド(Genting Highlands)にあるリゾートワールド・ゲンティン(Resort World Genting)に新しいテーマパーク、ゲンティン・スカイワールド(Genting SkyWorlds)がオープンしました。
今回は東南アジアで現在最先端と言われ、今後マレーシアの観光や娯楽の試金石になると言われている同テーマパークの現地取材レポートをお伝えします。
リゾートワールドゲンティン大規模投資におけるこれまでの経緯
1978年にオープン以来35年続いたゲンティン・アウトドア・テーマパーク(Genting Outdoor Theme Park)が2013年に閉鎖され、マレーシア初となる「米エンターテイメント資本による映画を中心としたテーマパーク」が造られることが発表されました。
当初のオープン予定は2016年とされていました。
しかし、米側からライセンス契約の解消されてしまうといった経緯があり、計画は一時暗礁に乗り上げます。その後、再び合意し、一部のアトラクションにおいて「知的財産を使用するライセンス」を付与されることとなり、名称も新たにゲンティン・スカイワールドとしてオープンに至る、という経緯がありました。
マレーシアを中心にシンガポールのセントーサ島にあるユニバーサル・スタジオ・シンガポール(Universal Studio Singapore)なども有する総合リゾート産業として知られているゲンティン・マレーシアですが、その収益を多くを担っているのはカジノです。2021年には米ラスベガスにも進出をしています。
しかし、パンデミックにより国境が閉鎖されることで大幅減益を余儀なくされました。カジノ以外では業績悪化の主因となったのがレジャー産業&ホテルなどホスピタリティ部門で、2020年のグループ全体の業績は前年比で63%減になり、21億リンギット(約577億4942万円)の純損失となりました。
2021年第3四半期の業績は2020年の同時期と比較して41.6%の減少しています。
大規模設備投資やインフラ整備で高収益化へ
このような厳しい状況の中で期待されているビッグプロジェクトの1つが今回ご紹介するゲンティンスカイワールドのローンチです。この大規模投資は国内外からも非常に注目されています。
2018年12月には同様に新たに大規模リノベーションされたインドアテーマパーク、スカイトロポリス(Skytropolis)がオープンし、すでに国内のファミリー層をターゲットにした集客の目玉となっています。
このスカイロポリスの周辺はカジノ、ホテル、レストラン街、ショピングモールが整備され一体化されています。そして、リゾートワールドゲンティンの壮大なリノベーション計画の最終段階として鳴り物入りでオープンしたのがゲンティンスカイワールドなのです。
マレーシア政府は今後はロックダウンを行わず、エンデミックとしてwithコロナ政策に舵を切りました。
その発表の後、リゾートワールド・ゲンティンは「2022年度の収益はパンデミック前の水準には戻るのが難しいかもしれないが、黒字に転じる」という予測をたてています。
新しい屋外テーマパークのゲンティンスカイワールドとは
新しく再生されたアウトドアテーマパークのゲンティンスカイワールドにおける投資総額は32億リンギット(約880億円)と発表されています。
約10.4haの敷地には26のライドやアトラクションを有し、最新のITおよび視覚技術を備えていて、現在東南アジアでも最も注目すべきテーマパークではないでしょうか。
2022年2月8日のスカイワールド開園日のゲンティンマレーシア(GenM)の株価は2.89%上昇しました。
では実際にゲンティンスカイワールドについてご紹介していきましょう。
エントランスは2ヶ所。メインエントランス以外にカジノがあるスカイアベニュー(SkyAvenue)から1フロア下がったところにありますが、今のところ繁忙期やイベント開催時などのみにゲートが使用されるようです。
入場チケットはオンライン、もしくはエントランスで購入することができますが、確実に入園するためには予めオンラインで購入しておくのがオススメです。
パーク内で便利なのが専用アプリGenting Skyworlds(iOS、Android、Huawei AppGallery)。
スマホにダウンロードしておくことで以下のような機能が無料で利用できます(2022年3月現在)。
・園内の地図、GPSで現在地の確認。
・チケットステータス(アトラクション利用時に入り口でスキャンする)
・園内で飲食店やスーベニアショップを利用する際のスマホ決済
・混雑時には人気アトラクションへの優先入場ができるバーチャルキュー(Virtual Queue)の予約
このようにパーク内でできることがワンストップで管理できます。
さらにアプリ内に機能として、園内でスタッフに撮影してもらった写真をスマホにダウンロードできるので、自撮り以外にもグループ写真の撮影など楽しみが増えそうです。
今後マレーシアではデジタル化とキャッシュレスがさらに進み、観光業界のみならず、さまざまな分野で拡大されていくという事例の一つしても注目をしたいところです。
テーマパーク内のアトラクションや世界観
テーマパークは以下の9つのエリアに分かれ、26種類のライド、アトラクションが配置されています。
①スタジオプラザ(Studio Plaza)
カフェ、スーベニアショップなどが軒を連ねるアーケード。
②リオ(Rio)
陽気な真夏のカーニバルをテーマにしたカラフル建物が印象的なエリア。ライブショーなど。
③エピック(Epic)
隠された緑の王国の草花や動物、昆虫をテーマにしたエリア。カラフルな世界観とライドからの絶景は必見。
④アイスエイジ(Ice Age)
映画『アイスエイジ』をテーマにしたエリア。マレーシアでは見られない雪景色が話題に。
⑤ロボットリベットタウン(Robots Rivet Town)
発明家とロボットたちと一緒に冒険!をテーマにしたエリア。
⑥イーグルマウンテン(Eagle Mountain)
カリフォルニアの砂漠の荒野をイメージしたワイルドなエリア。パーク内で一番面積が広いカーレースアトラクションを有する。
⑦リバティーレーン(Liberty Lane)
サンフランシスコの街からインスパイアされたフォトジェニックなエリア。
⑧アンドロメダベース(Andoromeda Base)
宇宙の探検や宇宙基地をテーマにしたエリア。絶叫マシンやアスレチックなど。
⑨セントラルパーク(Central Park)
噴水のある湖を中心とした活気ある大都会をイメージしたエリア。飲食店多く、イベントが開催され、ストリートパフォマーなども。
冒頭でスカイワールドの面積は約10.4haとお伝えしました。イメージとしてその大きさは東京ドーム2個分強です。9つのエリアに26種類のアトラクションというと広大なエリアといった印象ですが、思ったよりもコンパクトではないでしょうか。
しかし、エリアのレイアウトとアトラクションの配置などもあり、実際にイメージするよりもずっと広さが感じられます。
山の頂上に位置し周囲には何も遮るものもないといったこともあり、地理的に開放感があるのも大きいのかもしれません。
アトラクションも「国内のファミリー層をターゲット」に
マレーシアは住宅事情や世帯収入などによる理由から、三世代同居も珍しいことではありません。また娯楽などで外出する場合も幅広い年齢層に対応するショッピングモールなどが人気ということからも伺えます。
スカイワールドは全世代対応のテーマパークということで、アトラクションの種類のバランスが非常によい印象です。
園内はバリアフリーというだけではなく、車椅子で来園する場合でも利用できるアトラクション、車椅子からの移動が可能であれば利用できるアトラクションなどがピクトグラムで表示されています。例えばリオ(Rio)エリアにあるメリーゴーランドのブルースカイカルーセル(Blue Sly Carousel)は、一部車椅子のまま利用できます。
また中でも映画会社からの映像技術ライセンスを取得し、最先端の視覚効果を使用した次世代型アトラクションが話題に。
アイスエイジ(Ice Age)、ナイトアットミュージアム(Night at the Museum)、猿の惑星(Planet of the Apes)など、3D双方向アクションなどを含む次世代型ライドは、近年のVR技術の最先端となっていて集客の目玉とされています。
スカイワールドは食もエンタメ!フードコートから高級レストランまで
スカイワールドで注目したいのが食のバラエティです。アトラクションが26種類あると伝えましたが、実は飲食店の総数もほぼ同数の25カ所となっています。
ストリートフードでおなじみのホーカーやフードコート、ハンバーガー・ホットドッグ・タコスといったフィンガーフード、アメリカスタイルの高級ステーキハウス、イギリスの有名フィッシュ&チップスのスタンドなど、マレーシアの食の多様性のみならず、世界各国の味が楽しめるのも魅力。
また一部の飲食店はスカイワールド外部の出入り口からも利用できるので、カラフルでSNS映えするパーク内を眺めながらゆっくりと食事をすることも可能です。
ゲンティンスカイワールドについてのまとめ
マレーシアは新型コロナ肺炎をエンデミックと位置付けることを決定しました。マスク着用義務は残りますが、営業時間制限など各種制限の撤廃などより人の流れを自由化をすることで景気を刺激し活性化させ、経済再生の出口戦略としていきたい考えです。
4月1日に予定されている国境の再開に先立ち、一足先にスカイワールドをオープンさせたリゾートワールド・ゲンティンは、「コストを最適化させ、運営能力の向上を目指す」と発表しています。
このアプローチはマレーシア経済の今後を占う試金石となると考えられています。
ゲンティン・スカイワールド(Genting SkyWorlds)
URL:https://www.gentingskyworlds.com/
ここまでお伝えしたように、マレーシアではエンタメ、ショッピングモール、飲食などが一体化し、コンドミニアム(住居棟)を配し、子どもから大人まで幅広い年齢層に対応する物件に人気が集中する傾向にあります。
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