【最新レポート】2022年9月のマレーシア・ニュース
この一カ月にマレーシアで暮らす日本人の間で盛り上がった現地最新情報、そしてマレーシア国内で注目されたニュースをお届けします。
【マレーシアでデジタルノマドビザ「DE Rantau Nomad Pass」申請スタート!】
マレーシア政府(マレーシア通信マルチメディア省)はこのたび、以前より検討を重ねてきたデジタルノマドビザ「DE Rantau Nomad Pass」の運用をスタートすると発表。これまで、マレーシアにフリーランスや個人事業主の方が移住をしたい場合にハードルとなっていた滞在ビザ問題が、大きく前進します!
申請は2022年10月1日からスタートとのことで、現時点で発表されている運用及び申請ルールについてレポートします。
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デジタルノマドビザ「DE Rantau Nomad Pass」諸条件等
管轄:マレーシア・デジタル・エコノミー・コーポレーション (MDEC)
申請サイト:
https://mdec.my/derantau/foreign/
申請スタート日:2022年10月1日より
申請対象者:フリーランス/個人事業主/リモートワーカー(マレーシア国外の企業との雇用契約者)
※マレーシア国内でマレーシア企業との雇用契約での就労はできません。
ビザ対象業種:現時点では、業種についてはデジタル系に特化した記載となっており、ITやデジタルコンテンツ系の業種に絞られています。
ビザ申請対象となる年収:最低年収24,000米ドル
滞在可能期間:最大2年
※初回3カ月以上12カ月までマレーシアでの滞在が可能。さらに追加で12カ月の延長申請が可能。
帯同等について:配偶者と子供の帯同が可能
ビザ申請費用:申請者/RM1,000、帯同者/RM500
まだ運用開始前ということで上記のルールも今後見直されていく可能性も大いに考えられますので、興味のある方はこまめにサイトチェックや関連情報の確認を行うことをおすすめします。
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これまでマレーシアでの就労や帯同をベースとしない滞在ビザはMM2Hビザのような高額所得・財産所有者をターゲットとしたものしかなく、一定以上の収入があり移住を検討しつつもその条件を満たさない層については長期滞在ビザが取得できず滞在を断念する、という悩みが尽きませんでした。
しかしながらウィズコロナの劇的な労働環境の変化を受けて政府もマレーシア経済へのメリットを考慮し、ノマドワーカーに対して門戸を開く流れとなったことは否めません。これまで、マレーシアの生活環境に大いに魅力を感じながらもビザ条件でマレーシア滞在を諦めていた日本人からの反応も顕著で、SNSなどでは早速期日に合わせてこのデジタルノマドビザ申請にチャレンジしようという人達の情報交換が活発に行われている模様です。
先ほども述べましたが、実際に申請が始まってから税金等についてのさらなる詳細公開、そしてスピード感のあるマレーシアならではの急な条件変更などが徐々に行われることが予想されますので、変更については弊社でも随時レポートしていきます。どうぞお見逃しなく。
※この記事は2022年9月26日時点の情報です。ご自身の渡航の際は必ずマレーシア政府発表による最新情報を確認してください。
【盛大にイベント開催!マレーシア中が盛り上がった国家記念日のマレーシア】
マレーシアはこの一カ月、8月31日に65回目となる国家記念日、National Day(ナショナル・デイ)/Hari Merdeka(ハリ・ムルデカ)、そして9月15日にはMalaysia Day(マレーシア・デイ)/Hari Malaysia(ハリ・マレーシア)と呼ばれる記念日を迎え、この二つの記念日を祝うイベントが各地で開催されました!
2019年ぶりとなる式典やイベントの開催となったため、イベント当日はもちろんのこと準備段階となる8月中から非常に盛り上がるムードが漂い、活気に満ちていました。盛り上がったマレーシアの様子、そしてこの二つの記念日の意味について、今回詳しく解説いたします。
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二つの記念日の意味について
<8月31日:National Day(ナショナル・デイ)/Hari Merdeka(ハリ・ムルデカ)>
マレー語ではHari Merdeka(ハリ・ムルデカ)と言われるナショナル・デイ。マレー語のHariは「日」、Merdekaは「独立」を意味し、直訳するならば「独立記念日」という意味になります。ちなみに、マレーシア人の間でのこの記念日の呼び方は圧倒的に「ムルデカ」が多く、ナショナル・デイと呼ぶ人はごく少数派です。
1957年8月31日、現在のマレーシアのマレー半島を占める部分で構成された「マラヤ連邦」がイギリスから独立。この日、マレーシアの初代首相となるトゥンク・アブドゥル・ラーマン氏がクアラルンプール中心のムルデカ広場で「Merdeka!」と叫び独立を宣言した歴史的な写真は、マレーシアを代表する非常に有名な一枚となっています。
<9月16日:Malaysia Day(マレーシア・デイ)/Hari Malaysia(ハリ・マレーシア)>
ナショナル・デイの約2週間後に制定されているマレーシア・デイ。こちらは1963年9月16日に、ボルネオ島に位置するサバ州、サラワク州、そしてマレー半島最南端のシンガポールがイギリスから独立してマラヤ連邦に加わり、「マレーシア」という国ができた日です。マレー語ではHari Malaysia(ハリ・マレーシア)とも呼ばれています。
実は長きに渡って記念日と制定されていたのはナショナル・デイ/ハリ・ムルデカのみでしたが、国家が成熟していくにつれ、サバ州とサラワク州も加わったこの1963年9月16日をマレーシアの歴史において軽視することへの問題を提起する声が聞かれるように。そのような経緯を経て、2010年にこのマレーシア・デイが祝日として制定されました。
そして余談となりますが、この1963年にマレーシアが建国されて2年後の1965年。マレーシアから分離独立をしてシンガポールが建国され、マレーシアは完全なる現在の形での国家となります。
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8月に入るとマレーシアでは町の至るところに国旗が飾られ、高揚感が漂い始めます。クアラルンプールにそびえ立つマレーシアの象徴となるツインタワーは、8月31日から9月16日までの間は国旗カラーである三色に彩られるなど、圧倒的な存在感を示していました。このライトアップの期間は多くの人達が歩みを止めてそのライトアップに見入ったり、熱心に記念撮影を行う様子も印象的でした。
毎年パレードが開催されていた8月31日のナショナル・デイですが、この二年は一切のイベントが行われていませんでしたので、今回は久しぶりの開催。ナショナル・デイ前日のカウントダウンにはあちこちで盛大に花火も打ち上げられ、非常に賑やかな一日となりました。
1957年に独立が宣言されたクアラルンプールのムルデカ広場では国王や首相などの要人も招いての式典やパレードが開催され、国旗掲揚や国歌斉唱、警察官から可愛い子供達までさまざまな団体が参加するパレードはなかなか見ごたえがありました。
なお、二つの記念日が制定されているとは言え、このような国を挙げてのイベントで盛り上がるのはナショナル・デイのみ。一方のマレーシア・デイは、企業やお店単位でのイベントなどはあるものの、それほど大々的なイベントは行われていないため、盛り上がりの佳境はやはり8月31日のナショナル・デイとなっています。
マレーシアのナショナル・デイとマレーシア・デイで盛り上がった1カ月。二つの記念日の詳しい意味や違いも知った上で町を歩いてみると、このイベントそのものをより深く楽しむことができるしょう。
【月餅(ムーンケーキ)と共に楽しむマレーシアの中秋節】
皆さんは、中華圏の方達にとっての伝統行事である「中秋節」をご存知ですか?
2022年9月10日、中華系マレーシア人達にとっての伝統行事である中秋節を迎えました。日本では「中秋の名月」として知られるこの行事ですが、マレーシアでの中秋節は日本のそれとはずいぶんと楽しみ方が違うようです。今回は、マレーシアでの中秋節の盛り上がりについてご紹介します。
東アジアを中心に、旧暦の8月15日に行われる「中秋節」。その日付は旧暦のカレンダーに合わせて毎年多少前後しますが、だいたい9月の中旬くらいのどこかに訪れます。中華系の年間行事としては旧正月(春節)に次ぐ伝統的なこの行事。可愛らしい提灯を家の門にセットして月を眺めながら家族や大切な人達と月餅を食べるのが、マレーシアの一般的な中秋節の過ごし方。マレーシアでは「Moon Cake Fastival」や「Lantern Festival」と呼ばれたりもし、この時期に合わせて盛大な「月餅」(ムーンケーキ)商戦がスタートし、月餅の入手に皆さんかなりのパワーを注ぎます。
日本でも月餅が売られていることはありますが、正直その地味な見た目も手伝ってかそこまで存在感を感じることは少ないのではないでしょうか。ところが、ここマレーシアでのこの時期の月餅の存在感たるや!ショッピングモールやショップでは立派な月餅特設コーナーが設けられ、華やかな飾りとともにお手頃価格から高価なものまで各種ユニークな月餅が並びます。
店頭に並ぶ月餅を見てみると、大きさも日本のそれとはだいぶ違うのはもちろんのこと、その中身や味も様々です。餡子の味やトッピング、皮の味まで種類が豊富なため、その違いを見ているだけでも時間が過ぎていきます。
月餅といえば伝統的なあのキツネ色に焼き上がった皮に包まれた姿が一般的ですが、最近ではこのように色鮮やかな月餅も!
この青いカラフルな月餅は近年人気となっている「スノースキン月餅」と呼ばれるもので、果物やチョコレートなどの原料で作られた餡を柔らかい求肥(ぎゅうひ)で包み冷やして食べる新しい時代の月餅です。冷蔵保存でひんやりした味わいや軽い食感も楽しめるため、南国マレーシアでは人気急上昇となっています!
また、マレーシアの人達が愛してやまない果物の王様ドリアン味を施した月餅も人気。ドリアン人気は非常に高く、どの商品も早い時期から売切れていくのが特徴です。
この月餅、親戚や知人同士で贈り合うのが中秋節の習わしとなっており、その包装箱も年々豪華さを増しています。
どのメーカーやショップも、その包装箱のデザインにも力を入れていて、5つ星ホテルが監修する豪華な箱も人気。中身の月餅を楽しむと同時に、装飾品的な位置づけで選ぶ方も多くなっています。
多民族国家であるマレーシア、民族や信仰問わず他民族のイベントも一緒に楽しんでしまう文化があるため、この中秋節もあくまで主役は中華系マレーシア人ではあるものの、マレー系やインド系、そしてもちろん外国籍の在住者達もこの月餅商戦についつい足を止めて吟味する姿も多く見られます。どの売り場もここぞとばかりに販売に力を入れており、旧正月に次ぐ行事というのも納得の盛り上がりとなっていました。
【小池東京都知事がマレーシア訪問。エネルギー対策など協力合意】
東京都の小池百合子都知事が、2022年8月31日から9月2日の日程でクアラルンプールを訪問。東京都が抱えるエネルギー供給対策や都市環境施策など、課題解決のための協力等について会談を行いました。
小池都知事は現在の不安定なエネルギー対策打開のため、石油や天然ガスを供給するマレーシアの国営企業・ペトロナス社を訪れシャムサイリ副社長と面会。同社に日本への液化天然ガスの安定供給を求めたとのこと。
また、マハディKL市長との会談では都市インフラの整備と施設の老朽化対策、そして主に都市型洪水に注視した気候変動対策についても今後の協力の推進を図ることで合意しました。
【2022年9月のマレーシア最新情報まとめ】
ナショナル・デイ/ハリ・ムルデカと中秋節で盛り上がった9月のマレーシア。マレーシアではこのムルデカが終わると、年末に向けたクリスマスやホリデーシーズン商戦の雰囲気が高まります。いよいよ今年も残すところあと3カ月!今年はやっと通常の年末年始の海外旅行も実現しそうですし、常夏のクリスマスをマレーシアで過ごしてみませんか。